心を掴む心理学

ラポールとは?信頼関係を構築する方法は?

ラポールって何?

約束を守るだけでは信頼関係は構築できない?

 

職場でもプライベートでも人間関係が上手くいかない時は、“信頼関係”が築けていないことが原因であることが多いです。

お互いに相手のことを「胡散臭い」「虫が好かない」と思っていては、そこから良いことは何も産まれませんよね。

そんな時に役に立つのが“ラポールの形成”です。

心理学用語であるため聞き慣れない言葉ではありますが、ラポールを理解すると、面白いようにコミュニケーション能力がアップし、信頼関係を築くことが出来るようになります。

 

ここでは、ラポールの基礎知識と、相手のタイプ別にどのような方法で信頼関係を築いていくのかを解説していきます。

ビジネスのシーンでも恋愛のシーンでもすぐに応用可能ですから、ぜひ身に付けて下さい。

ラポールとは?

Original update by : 写真AC

 

ラポールとはフランス語で「懸け橋」を意味し、もともとは臨床心理学の現場で使われていた用語です。

セラピストとクライアント(問題を抱えて相談する人)がお互いを信頼し、心から打ち解けられている状態のことを示しています。

 

少子化や核家族世帯の増加によって、幼少期から様々な年代の人達や価値観の違う人達との交流が減っている現代、コミュニケーション自体を苦手と思う人が増えています。

そのような現状から、信頼関係を構築する“ラポール”が注目を浴びるようになりました。

 

信頼関係は、「待ち合わせの時間を守る」「納期を守る」という実績を積み上げて築くもの、という意見もありますが、ラポールはちょっと次元が違います。

  • お互いが打ち解けている
  • 相手のことを信頼している
  • 一緒にいて楽しい

 

というような状態のことを指しています。

例えば、「特に用事は無いけれど声が聞きたいな」と思っている時に、相手も同じように思い、電話が掛かってくるというような“心の通じ合い”であり、感覚的なものになります。

ラポールが形成されるメリットとは?

ラポールが形成されると次のようなメリットを肌で感じることが出来るようになります。

  • 話を聞いてもらえる
  • 会話が楽しくなる
  • リラックスして接することが出来る
  • 気を使うことなく本音で話が出来る
  • 味方になってくれる
  • 無理を聞いてくれる・・・など

 

ビジネスでもプライベートでもラポールが形成されて信頼関係が築けていれば、何もかも上手くいきそうですよね。

 

ラポールの形成が特に重要な「看護」と「営業」の現場を例に挙げて、見てみましょう。

看護の例

病院に来ている患者さんは、“弱っている”状況です。

このような時は、パニックを起こしてしまったり、うつ状態になってしまったり、感情の起伏も激しくなります。

 

医師や看護師とラポールが形成されているかどうかは、今後の経過に非常に大きな影響を与えます

ラポールが形成されていれば、医師の治療方針に従うでしょうし、辛いリハビリも前向きに頑張ろうとしてくれます。

これは、医師や看護師が自分のことを好きでいてくれて、自分の将来を案じてくれていることを患者自身が理解し、それに応えようとするからです。

 

しかしラポールが形成されていない場合は、そのような気持ちは沸き上がってきません。

医師や看護師は、どうせ自分のことを迷惑な患者だと思っている、その他大勢の一人にすぎない、と思い込んでしまったら、心を開いてくれることはありません

勝手に薬を止めてしまったり、リハビリをサボったりして、治る病気も治らなくなってしまいます。

営業の例

一口に営業と言ってもいろいろな種類がありますが、一般的には「営業は嫌われている」という現実があります。

突然家に営業マンがやってきたら、その人がどんなにいい人でも「どうやって追い返すか」と考えるのが普通です。

飛び込み営業自体が減っているので、ここまであからさまに嫌われることは無いでしょうが、「高い物」や「いらない物」を売りつけられるのでは?という警戒心を持たれていることは覚悟した方が良いでしょう。

 

しかしラポールの形成がされていれば、「この人から買いたい」という現象が起こります

トップセールスマンと呼ばれる人の多くは、顧客とのラポール形成に成功した人たちです。

彼らは決して“熱血”な営業マンではありません。

ただ顧客の心を掴んで信頼関係を構築しただけなのです。

 

一方で、ラポールが形成されていない場合は、どんなに商品知識がバッチリでも、何度も足を運んでも、なかなか上手くいきません。

「熱心なのは分かるけれど、何となくあなたからは買いたくない」という状況に陥ります。

明確な理由があって断られたのなら納得いきますが、“何となくイヤ”と言われてしまったら、どうして良いか分からなくなってしまいますよね。

 

ラポールが感覚的である、という意味がご理解いただけたでしょうか。

信頼関係を構築するコツ!

Original update by : 写真AC

 

ここからは、どのようにラポールを形成したらよいのか、具体的に解説していきます。

信頼関係の構築は、全ての人に同じやり方をして築けるものではありません。

相手のタイプに合わせて言葉やテクニックを変える必要があります

 

そこでまず、相手の「話すスピード」と「話している単語」を観察して、V・A・Kの3つのタイプに分けてみましょう。

● Visual(視覚)
● Auditory(聴覚)
● Kinesthetic(触角)

VISUAL(視覚)

視覚タイプの人は、次のような特徴を持っています。

  • 早口で話す
  • イメージを重視した単語を使う(ビジョン、イメージ、見通しが良い・・・など)
  • 視線が上に向く
  • 頭の中のイメージを、手を使って表現しようとする

視覚タイプの人と信頼関係を築きたかったら、視覚に訴えるやり方が良いでしょう。

モノについて語る時は、実物や写真を用意すると理解してもらいやすくなります。

AUDITORY(聴覚)

聴覚タイプの人は、次のような特徴を持っています。

  • 平均的なスピードで話す
  • 言葉を大切にし、自問自答したり独り言をいう傾向がある
  • 目を左右によく動かす
  • バタバタしている、ピカピカにするなど擬音語をよく使う

 

聴覚タイプの人と信頼関係を築きたかったら、相手の話し方をマネするやり方が良いでしょう。

モノについて語る時は、モノの特徴を具体的に言葉で伝えるやり方が理解されやすいです。

KINESTHETIC(触角)

触角タイプの人は、次のような特徴を持っています。

  • ゆっくりとしたスピードで話す
  • 手を胸に当てたりして、体の感覚を手で表現しようとする
  • 目を下方に動かす
  • のんびりできた、一体感を感じた、など身体感覚にまつわる言葉をよく使う

 

触角タイプの人と信頼関係を築きたかったら、呼吸の速度感情の強さを相手に合わせます。

相手が熱く語ったらこちらも熱く、相手が物静かに語ったらこちらも物静かに、といった感じです。

ただし、相手が猛烈に怒っている時は、こちらは猛烈に反省しなくてはいけません。

ラポールを形成する方法とは?

ラポールは感覚的なものでありますから、初対面でビビっと「この人なんか良いかも…」と思ってもらうのが一番です。

しかしテクニックである程度、形成することも可能です。

ここでは、基本的なテクニックを5つご紹介します。

1. ミラーリング
2. ペーシング
3. バックトラッキング
4. キャリブレーション
5. リーディング

1. ミラーリング

ミラーリングとは、相手の姿勢や動作を“鏡”に映すようにマネすることで、ラポールを形成するテクニックです。

例えば一緒にカフェに入った場合、相手がコーヒーを飲んだら自分も飲む、相手が前のめりになって話してきたら自分も前のめりになって応じる、というように、相手の動作に合わせた行為を意図的に行います。

 

人間は、自分に似ている者に対して親近感を覚えることから、この方法は「壁」を取り払うのに有効だと言われています。

しかし、マネしていることが相手にばれてしまったら、逆に不信感を招いてしまうこともあります。

あくまでも自然にふるまう事が大切になります。

2. ペーシング

ペーシングとは、話す早さやリズム、声のトーンなどを相手に合わせるテクニックです。

ミラーリングの、視覚的な「しぐさ」をマネするのに対して、聴覚的な「話し方」をマネしていきます。

 

相手がゆっくり話す方なら、こちらもゆっくりと。大きな声でハキハキ話す方なら、こちらも同様に・・・という感じになります。

相手の肩や胸の動きに注目すると、リズムを合わせやすくなります。

 

ページングが上手く嵌ると、相手との一体感が生まれ「この人と話していると気持ちが良い」と思ってもらえます

ミラーリングと同じように、マネしているのがバレないよう自然に行うのがコツとなります。

 

また、こちらが話してばかりでは、ページングは出来ませんので、相手に話してもらうようにしましょう。

3. バックトラッキング

いわゆる「オウム返し」です。

相手の言葉を自分が繰り返すことで、「きちんと話を聞いて理解していますよ」というメッセージを送り、ラポールを形成するテクニックです。

ただし、相手の言った事をそのまま繰り返すのでは、本当にオウムになってしまいますので、自然な会話を目指すのであれば工夫が必要となります。

ポイントをまとめて要約して言い返したり、自分の言葉を付け加えたりしてみましょう。

4. キャリブレーション

相手の言葉以外の部分から、相手が今どのような心理状態にあるのかを判断するテクニックです。

相手がたとえ笑顔だとしても、声のトーン、呼吸、表情、顔色、姿勢、動作などから、“怒っている”“体調が悪い”“本当は嫌だけど我慢している”などの裏の心理状態を推測していきます。

今まで紹介してきた3つのテクニックよりも、感覚を研ぎ澄まさなければ分からない分、上級者向けとも言えます。

 

言葉には現れないわずかな変化から、相手の気持ちを汲み取ることが出来れば、信頼関係は飛躍的に発展します

 

ただし、初対面の人には使えませんし、訓練を重ねていないと単なる勘違いで、余計に印象が悪くなることもあります。

まずは、他人の表情からおおよその気持ちを汲み取るトレーニングを重ねましょう。

5. リーディング

今までのテクニックは、相手の意見を肯定出来る場合において、有効なものばかりです。

もし、相手が間違った事を言ったり、その意見には賛成できない場合はどうしたらよいでしょうか。

 

いきなり否定してしまったら、ラポールの形成にヒビが入ってしまいます。

そのような時は、まず相手の意見を受け入れ、その上で修正したい方向へ導いていきます。

そのテクニックのことを、リーディングと呼びます。

 

相手の意見を絶対に真正面から否定しないでください

相手の意見をスタート地点として、そこから様々な問いかけを繰り返して、ゴールである修正地点に導くのは非常に難しいテクニックなのですが、これが身に付けば、交渉力がアップするのは間違いありません。

 

初対面の人といきなり信頼関係を構築するには?

ラポールの形成テクニックは、相手をよく観察した上で行わないと効果が出ません。

しかし初対面でいきなり信頼関係を築かなければ、その後会う機会も得られない場合もあります。

そのような時は、話の内容で信頼を獲得していきます。

具体的には、“権威”“検証性”を上手く利用して、自分の話を信じてもらうのです。

 

まず権威ですが、「外部の権威」「内部の権威」に分けることが出来ます。

外部の権威

人は、その道の専門家の話なら、何の疑いも無くすんなりと納得することがあります。

権威を持っている人の話なら、とりあえず最後まで話を聞くのです。

 

権威を手に入れるには、医師や弁護士などの難関資格の取得はもちろんですが、大学教授や○○学博士などの肩書も有効です。

 

今からそのような肩書を手に入れるのは難しいですが、そのような人から推薦してもらうという手があります。

エリートからの推薦を得られれば、あなたの話は信頼性を増すでしょう。

 

そしてエリート以外にも、信頼性のある人物として、「反権威者」が挙げられます。

例えば、海外旅行に行くのに保険を掛けないで失敗してしまった人や、麻薬で人生を台無しにしてしまった人などです。

そのような人達は無名であり、大した肩書も持っていませんが、その体験談は非常にインパクトがあり、正に生き証人と呼べます。

 

話の内容によっては、彼らの協力を得ることも考えてみましょう。

内部の権威

上記のような権威とは違い、あなたの内側の権威を見せることで、信頼関係を築くやり方もあります。

ここでは、4つご紹介していきます。

1. 自己開示

相手と信頼関係を築きたかったら、弱い部分も含めて、自分から先にどんどん話していくのです。

そうすると、「ここまで話してくれたから、自分も話さないと悪いかな?」と感じてプライベートなことも話してくれるようになります。

その後、「こんな話までしてしまって、私はこの人を信頼しているんだな」という気持ちになっていきます。

2. 細部の描写

物事を、専門家でなければ分からないような細部までしっかりと描写すると、その話の信憑性が高まります

曖昧な話よりも、具体的な話の方がよりリアルに感じて、信頼できると判断されるからです。

例えば、「この間、近所で交通事故があった」よりも、「先週の日曜の夕方、○○町交差点で高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いが原因による事故があったが、幸い怪我人は無かった」の方が、信頼性は増すでしょう。

自分が話したいことについて、念入りに調べ上げておきましょう。

3. 統計

細部の描写に、数値的な統計を取り入れると、より信頼が高まります。

特に、各省庁が発表している統計などは“権威”があるため、積極的に利用したいところです。

 

また、数字を具体的にイメージできるものに置き換えると、実感がわきやすくなります。

例えば、東京ドーム1個分(46755 m²)、飲み会1回分(約5,000円)などが代表的です。

4. 誰でも上手くいく実例

人は、自分には関係ない話は最後まで聞く耳を持ちません。

そこで、誰でも上手くいく実例を挙げて、あなたにも関係ある話ですよ、というメッセージを送ります。

例えば、70歳のIT音痴のおじいちゃんでも使えたスマホなどの話なら、自分は既にスマホを使いこなしていても、ガラケーの祖父母に買ってあげようかな、と思わせることができます。

また、“誰にでも上手くいく”というものは、シンプルで親切設計であることが多いため、信頼性を高めるのに役立ちます。

検証性

あなたが話している内容が本当かどうか相手に検証してもらい、その結果本当であることが分かったら、その事実は揺らぎないものになります。

信頼を獲得する上で、最も確実なやり方だと言えるでしょう。

 

非常に分かりやすい検証性の例として、デパートなどの化粧品カウンターがあります。

化粧水や美容液を左手にだけ塗って、何もしていない右手と比べてもらい、その効果を実感してもらうことで、商品の信頼性を高めています。

 

他にも、試供品の配布や試食販売、効果を実感できなかったら全額返金OK、など、検証性には様々な手法があります。

一手間掛かりますし、相手が効果を感じなければ信頼性の獲得は難しくなりますが、効果を実感出来れば「あなたが話していたことは本当だ」と、その後の関係は一気に改善します。

まとめ

ラポールとは、お互いを信頼し、心から打ち解けられている状態のことを示しており、ラポールの形成が上手くいっていると、人間関係が円滑に進んでいきます。

ラポールを形成したい時は、まず相手の話すスピードや内容を観察し、“V(視覚)”“A(聴覚)”“K(触角)”のどのタイプなのか見分けましょう。

 

そして、次の5つのテクニックを駆使して、ラポールを形成していくのですが、多用しすぎると逆に不信感を持たれることがあるので、注意が必要です。

1. ミラーリング
2. ペーシング
3. バックトラッキング
4. キャリブレーション
5. リーディング

また、初対面で信頼を獲得したい場合は、話の内容に“権威”“検証性”を取り入れると良いでしょう。

普段何気なく行われている事を少し意識するだけで、周囲の人と信頼関係を築くことが出来るのです。


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