心を掴む心理学

一貫性の原理とは?ビジネスに応用するには?

なぜ人は一貫性を持ちたがるの?

一貫性の原理をビジネスに応用するには?

 

「一貫性の原理」という言葉を聞いたことはありますか?

心理学用語なのですが、あなた自身も無意識に行っていますし、身近にもこの原理を応用したものが溢れています。

また、ビジネスで成功したいのなら絶対に理解すべき原理とも言われています。

 

ここでは、一貫性の原理について具体例を挙げながら分かりやすく解説していきます。

ビジネスでの活用はもちろんですが、消費者の立場からも理解しておいて損はありません

この機会にぜひ身に付けておきましょう。

一貫性の原理とは?

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一貫性の原理(法則)とは、人が持っている「自分の発言・態度・行動などに一貫性を持たせたい」という心理的な傾向のことを指しています。

人は矛盾した言動を好ましく思わない生き物です。

ですから、自分が以前発言した内容から外れるような事態にならないよう、無意識に整合性を取ろうとしているのです。

 

一貫性の原理は日常の様々な場面でよく見かけます。

例えば、

● 昔から買っている雑誌をつい購入し続けてしまう
● 一度観だした映画が面白くなくても最後まで観てしまう
● 面白キャラと認定されてしまったため、本当は物静かなのにそのキャラを演じ続けてしまう
● 美容院で勧められたシャンプーを購入したために、高いと思いながら次回も買ってしまう

など、あなたにも思い当たることが一つや二つあるのではないでしょうか。

 

単純に、既に習慣となっていて止めるきっかけを失っている、というものもあると思いますが、一貫性の原理には、意外と根深い理由があるのです。

なぜ一貫性が働くの?

なぜ人は一貫性を保とうとするのでしょうか。

それには次の2つの理由が考えられます。

1. 高評価を得たい
2. 選択の機会を減らしたい

 

1. 高評価を得たい

一貫性を保ち“初志貫徹”することは、社会的には高く評価されると考えられています。

確かに、発言がコロコロ変わる人は信用できませんから、周囲から理性的な人だと思われたいのなら、一貫性を保つことはとても有利に働くでしょう。

 

また、「この人は○○の行動を取る人」だと一度期待されると、それがたとえ本来の姿では無くても、期待を裏切りたくない、という気持ちが働いて一貫性を保とうとします。

上で例に挙げた、美容院で高額なシャンプーを購入し続けるという行為などが、これに当ります。

一度購入してしまった為に、美容師からの「今日も買ってくれるんだろうな」という期待を裏切れなくなるのです。

 

一貫性の原理には、人から良く思われたい、という“虚栄心”が隠れているのです。

2. 選択の機会を減らしたい

一方で、虚栄心とは全く違う心理も働いています。

面倒な“選択”を避けるためです。

 

人は毎日の生活の中で様々な選択を迫られています。

今日着る服から、ランチ、シャンプーの銘柄など、例を挙げればキリがありません。

家や車などの高額商品や、人生の岐路と呼ばれるような場面では時間を掛けて悩みますが、それほど大した問題では無いものには、時間を掛けたくないのが本音です。

 

「いつもの」ものを決めてしまい、それをパターン化して一貫性を持たせると、選択の機会自体を減らすことが出来るため、楽になります。

一貫性の原理を使うには?

Original update by : 写真AC

 

一貫性の原理は、次の3つの要因から発動すると言われています。

1. コミット
2. 公的な発言
3. 労力

 

1. コミット

口に出してコミット(宣言)してしまった瞬間から、一貫性の原理は発動します。

例えば、友人から「金曜日空いてる?」と聞かれて、反射的に「空いてるよ」と答えたとします。

その後に「○○に行かない?」と誘われた場合、○○に全く興味がなくても「空いてるよ」と答えてしまった手前、断りにくくなりますよね。

 

コミットすることは、目標を達成したい時などに有効に使えます。

他人に宣言してしまった方が、なんとしても成し遂げようという気持ちが働くため、達成率が高くなるのです。

ですから、資格取得やダイエット、禁煙など、途中で挫折しそうな目標を持った時は、誰かにコミットすることをお勧めします。

 

ビジネスにおいては、顧客に困っている事や悩みを発言させることを試みてみましょう。

そして、それに対する提案を挙げていきます。

相手は自分の発言との一貫性を取るため、なかなか断る理由を見つけることが出来ないはずですから、話を進めやすくなります。

2. 公的な発言

コミットされた発言が公的であればあるほど、一貫性の原理は強く働きます

コミットした相手が一人だけなら、「やっぱり止める」と断ることが出来るかもしれませんが、それが大勢となると、断った後の評価が気になるようになります。

 

目標を絶対に達成したいなら、家族や親しい友達だけでなく、あなたの本当の姿をよく知らないような人達にも宣言してしまうと良いでしょう。

期待外れにならないようにと、「絶対に達成しなければ!」という強い気持ちが起こるはずです。

3. 労力

一貫性の原理を本格的に発動させるのが“労力”になります。

発言するだけなら「言い間違えでした」「勘違いでした」などと言い訳して、撤回することも出来なくはありません。

しかし、その為に何らかの労力を使ってしまった場合、撤回はますます難しくなります

 

映画館でつまらない映画を最後まで観てしまうのは、「映画館まで足を運び1800円も払ってしまった」という労力を使ってしまったためです。

 

ビジネスでは、顧客にアンケートに答えてもらう、試着してもらう、試用品を使ってもらう、などの労力を要する依頼をしてみましょう。

一貫性の原理が強まり、断られにくくなります。

一貫性の原理を活用するコツとは?

一貫性の原理は、自分の夢を叶えるためにも活用できますし、顧客に自社の製品を購入してもらうためにも活用できるのですが、ちょっとしたコツが必要になります。

次の3つのステップを意識してみて下さい。

1. 小さな行動からの一貫性
2. 習慣化による一貫性
3. 外的価値(報酬や罰則)による一貫性

 

小さな行動からの一貫性

初めのステップは、本当に小さな行動からでOKです。

“ごく簡単に出来る小さな行動”から始めることで、一貫性の原理を活用する準備が整います。

 

例えば、「健康のために毎朝ジョギングをしよう」という目標を立てたとします。

しかしこの目標は、多くの人が挫折した経験を持つ、非常に継続するのが難しい目標でもあります。

ですから最初の小さな行動として、「毎朝玄関のドアを開ける」(ドアを開けるだけで外に出なくても、パジャマのままでもOK)と考えるのです。

これなら、どんなに土砂降りの朝でも、ドアを開けさえすれば、最初の目標を達成した事になります。

 

このような小さな行動を起こすことで、その後のハードルが下がってきます

雨の日も風の日もドアを開けることが出来たら、「ランニングシューズを履いて玄関の外に出る」くらいなら、簡単に出来そうな気がしてきます。

習慣化による一貫性

小さな行動を“習慣化”させてしまえば、一貫性の原理がより強く働いて、途中で投げ出さなくなります。

習慣化させるのに有効なのが、「時間」と「場所」です。

 

私たちは幼いころから、○時になったら家を出て学校へ行く、毎週水曜日は○時から習い事など、決められた時間に決められた場所へ移動して、行動してきました。

ですから成し遂げたいことがあったら、時間や場所を決めてしまった方が、より早く習慣化しやすくなります

 

先ほどのジョギングなら、「朝6時にドアを開ける」「走らなくても良いから角の自販機まで行く」など、小さな行動に時間と場所を入れてみましょう。

外的価値(報酬や罰則)による一貫性

一貫性を保つためには、報酬や罰則などの外的価値を効果的に利用しましょう。

自分へのご褒美のような報酬は、モチベーションアップに非常に有効です。

小さな目標を達成するたびに、何らかの報酬を与えましょう。

 

ここで注意したいのが罰則です。

目標をコミットしている場合、途中で投げ出してしまったらその時点で信用を失ってしまうわけですから、あまりに重い罰則は必要ありません

あくまで、モチベーションに役立ちそうな罰則を考えましょう。

 

例えば、
「ジョギングが1ヶ月続いたらランチをご馳走して下さいね。その代わり挫折したら私が○○さんに奢ります。」

「今日は朝のジョギングをサボっちゃったから、晩酌のビールは無し。」

 

報酬と罰則を上手に組み合わせることがコツとなります。

一貫性の原理をビジネスに応用した事例は?

上で見てきた一貫性の原理は既にビジネスに応用されており、様々な手法として確立されています。

代表的な3つの手法を見ていきましょう。

1. ローボール・テクニック
2. フット・イン・ザ・ドア・テクニック
3. アップセルとクロスセル

 

1. ローボール・テクニック

ローボール・テクニックの由来は、キャッチボールから来ています。

最初は取りやすい高さの低い球を投げ、徐々に高いボールを投げていく。
すると、普通ならキャッチできそうにない高さのボールでも取れるようになる。

ローボール・テクニックでは、高いボールに当る“悪い条件”を隠しておき、顧客が購入を決定した後に、その条件を出す、という手法を取ります。

 

例えば、顧客がある商品の購入を決めた後に、手違いにより在庫がない事を告げ、ワンランク上の商品なら今すぐ渡すことが出来ると伝えます。

一度購入を決定した顧客は、一貫性の原理により、その決定を覆したくないという心理状態にありますので、許容範囲の出費ならワンランク上の商品をそのまま購入してくれることが多いのです。

 

この“悪い条件”は、悪意を持って隠されている事もあります

不動産業のおとり広告などが代表的です。

2. フット・イン・ザ・ドア・テクニック

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、セールスマンが訪問先で片足をドアに入れて閉まらないようにする動作が由来と言われています。

顧客に対して“小さなお願い”をして、それが受け入れられたら少しずつ要求を大きくしていき、最終的に目的を達成していくのです。

 

訪問販売を例にあげると、次のような流れになります。

  1.  こちらの地区の担当になりましたので、ご挨拶させて下さい。
  2.  少しだけで良いので、話を聞いてもらえませんか?
  3.  良かったら、一度試しに使ってみませんか?
  4.  いかがでしたか?今ならお安く出来ますよ。

 

訪問販売のセールスマンにいきなり購入を迫られた場合、ほとんどの人がキッパリと断るでしょう。

しかし話を聞いてしまい、3のように“労力”を使ってしまったら、よほど意志が強くないと断るのは難しくなります。

ですから、最初の要求は受け入れやすい小さなものから始めるのがコツになります。

3. アップセルとクロスセル

アップセルとクロスセルは、セットで語られることが多いですが、2つの違いは次の通りになります。

● アップセル・・・販売した商品の“上位商品”を売る事
● クロスセル・・・販売した商品に関連した“別の商品”を売る事
アップセルの具体例
  • 10万円のPCを買おうとしている顧客に、より高機能な15万円のPCを勧める
  • 年会費無料のクレジットカード会員に、年会費1万円のゴールドカードを勧める
クロスセルの具体例
  • 新しい靴を買った顧客に、消臭スプレーや防水スプレーを勧める
  • ファストフードでハンバーガーとコーヒーを頼んだ顧客に、ポテトも勧める
  • オンラインショップで購入した顧客に、「この商品を購入した人はこんな商品も購入しています」と表示する

 

アップセルもクロスセルも、顧客一人あたりの購入単価を上げることで売上を上げる手法なのですが、
既存の顧客や購入意欲のある顧客が対象となっています。

一度要求が通った顧客や購入の意思をコミットした顧客は、一貫性の原理に当てはまりやすいのです。

 

上記で紹介したテクニックは、悪徳商法や新興宗教の勧誘などにも応用されている事実があります。

ビジネスで活用する時には、あくまでも良心的に行うことが原則です。

悪意を隠して騙すような手口は、最終的に顧客に見抜かれて、却って悪評が広まりかねませんので注意が必要です。

まとめ

一貫性の原理(法則)とは、人が持っている「自分の発言・態度・行動などに一貫性を持たせたい」という心理的な傾向のことを指しており、自身の目標達成やビジネスにおいて売上高アップに活用することが出来ます

 

一貫性の原理がより発動しやすい要因として次の3つが挙げられます。

  1.  コミット
  2.  公的な発言
  3.  労力

 

ビジネスにおいては、顧客が抱えている不満や悩みを“コミット”させて、その発言に一貫性持たせるような提案を行う事で、話が進みやすくなります。

 

また、一貫性を保ち続けるコツとして、達成目標までの行動を小さく区切り、それを習慣化させると良いでしょう。

報酬罰則を上手に利用して、少しずつハードルを上げていくのです。

 

一貫性の原理はビジネスシーンで様々な手法として確立していますが、時に悪意を持って用いられることもあります。

自分がビジネスで活用する時は、あくまでも良心的に

そして消費者の立場からは、慎重に見抜く目を持つことが必要となります。


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